開幕レポート
開幕を迎えた劇場の様子をレポート!舞台写真も公開しました!
さらに、栗田桃子、多田直人、演出・西本由香からのコメントも到着!
開幕レポート
宮沢賢治の様々な名作を取り上げてきた『賢治島探検記』だが、今回は『銀河鉄道の夜』、『注文の多い料理店』、『どんぐりと山猫』、『セロ弾きのゴーシュ』と、誰もが知る作品で構成されている。
成井が「いつでもどこでも上演可能な芝居」をコンセプトに作ったという言葉の通り、西本の演出においても大掛かりなセットはなく、役者たちの芝居と小道具によって観るものの想像を膨らませるような作りだ。
台詞は基本的に宮沢賢治が描いた原作のまま。だが、それぞれの作品がコンパクトにまとめられるとともに、作品同士を繋ぐシーンでゼミの様子が描かれることで新鮮な味わいになっている。
文学座とキャラメルボックスという、カラーの違う2団体による化学反応も楽しい。宮沢賢治の紡ぐ美しい言葉に誠実に向き合い、ユーモアを交えながらもほろりとくる作品に仕上げていた。
また、キャストたちが奏でる音楽も作品の世界を形作る大きな要素だ。
リコーダーによるベートーヴェンの「田園」、フライパンをはじめとする身近なアイテムをパーカッションとして使うセッション、希少な打楽器・サヌカイトで癒しの音を奏でる「星めぐりの歌」など、どこか素朴な雰囲気がマッチしている。
そして、「賢治島」を探す教授とゼミ生たちの対話、彼らが上演する芝居を通して、“好きなものへの向き合い方”や“世界の見方”について改めて考えさせられた。大人から子供まで、気楽に楽しみ、様々なメッセージを受け取ることができる作品と言えるだろう。初台で繰り広げられる彼らの“探検”に、参加してみてはどうだろうか。
開幕コメント
栗田桃子(文学座)
昨年12 月上旬から始まったお稽古も終わり、いよいよ初日を迎えます。初めまして、のキャラメルボックスの皆さまとも、切磋琢磨しながら稽古に励んできました。大好きな宮沢賢治の作品は、朗読は何回かやりましたが、舞台で演じることができるなんて…嬉しい!幸せ!
ですが、やはりなかなか手強い…
けれども文学座×キャラメルボックスが皆さまに楽しんで観て頂けますように、全力で立ち向かっております。
『賢治島探検記2026』新年早々の公演ですが、是非、是非、観にいらして下さい!!
多田直人(演劇集団キャラメルボックス)
座組みんなであーでもないこーでもないと言いながら作ってきました。それだけ宮沢賢治の作品は深く、人によって感じ方の違う、万華鏡のような世界でした。深いところまでディスカッションできる空気を作ってくれた西本さんはじめ文学座の皆さんに感謝します。
文字で読む宮沢賢治の面白さとはまた違う面白さを、俳優の演技を通して感じていただけると幸いです。
西本由香(演出/文学座)
稽古が始まるまでこんなに多様で、こんなに賑やかな芝居になるとは思っておりませんでした。
このコラボによって劇団同士の個性がぶつかり合い、それぞれがお互いの魅力を、そしてまた改めて自分たち自身の魅力をも振り返る貴重な機会になったと思います。
「演じること」の喜びと不思議が詰まったこの素敵な時間を御覧いただいた皆さまにも味わっていただければ嬉しいです。あとどこかで観ている宮沢賢治先生にも。
文:吉田沙奈/撮影:GEKKO